土地の名義が2人になっていて、土地を売却しようにもしづらい状況に陥っている方はいませんか。

今回はそんな方に向け、土地名義が2人になっている場合の不動産売却について、原因やメリット・デメリット、注意点を紹介します。

□なぜ不動産の土地名義が2人になるのか？

土地名義が2人になる理由には、以下2つのパターンがあります。
・夫婦や親子など、2人で土地を共同購入した
・相続時の財産分与で、共有持分を取得した

＊土地を共同購入したパターン

1人では購入資金が足りなかったといった理由で複数人が出資して土地を購入した場合、その土地は共同名義になります。

夫婦でローンを組んで家を購入したり、親子で住む二世帯住宅を購入したりする場合に多いです。
土地を吹く数人で購入した場合、持ち分割合は出資金額に応じて変わります。

＊相続の財産分与によるパターン

土地が共有名義になる理由で最も多いのが、相続時の財産分与です。
不動産は現金とは違って分割が難しいので、相続人同士の争いを避ける目的で、法定相続分に従って共有持分を取得するケースがあります。

□共有名義のメリットとデメリットとは？

なぜ土地が共有名義になるのか分かったところで、次にメリットとデメリットを紹介します。

＊土地名義が2人の状態のメリット

1つ目のメリットは、住宅ローン控除が二重に受けられることです。
仮に夫婦共有名義でマイホームを購入した場合、それぞれの収入に応じて住宅ローン控除が適応されます。
1人で土地を購入した場合は一方の収入にしか住宅ローン控除が受けられないため、共有名義は減税額が多くなるという点で優れていると言えます。

2つ目のメリットは、売却した際の特別控除も二重に受けられることです。
譲渡所得から最大3000万円の控除が受けられる制度ですが、共有名義の場合は名義人それぞれが控除を受けられます。

＊土地名義が2人の状態のデメリット

続いて土地名義が2人になっている状態のデメリットを紹介します。

1つ目は、土地名義全員が売却に承諾する必要があることです。
どちらか一方に売却の意思があったとしても、名義人全員分の署名と捺印が必要です。

2つ目は、共有名義人が亡くなると、亡くなった方の持分が相続対象になることです。
最初は2人名義だった土地が、気づいたら相続によって3人、4人の名義になっていたというケースもあり、土地をどうするかの意見がまとまりづらくなります。

3つ目は、贈与税の対象になる可能性があることです。
例えば土地名義が夫婦になっている状態から、住宅ローンを夫のみの支払いに切り替えた場合、「妻から夫に土地が贈与された」と見なされ、贈与税の支払いを求められる可能性があります。

4つ目は住宅ローンに関する諸費用が余分に発生することです。
事務手数料や登記手数料が2人分かかる可能性が高いです。

□共有名義の土地を売却する際の注意点について

共有名義の土地を売却する場合、売却パターンによって注意点が異なりますので、パターン別で注意点を紹介します。

1つ目のパターンは、自分の持分を共有持分のもう片方の人に売却するパターンです。
第三者に自分の持分のみ売却することも可能ですが、買い手がつくケースは稀なうえ、権利関係でトラブルが発生しやすいのでおすすめしません。

このパターンの注意点としては、相手が親しい間柄だからという理由で無償で譲渡してしまうと贈与税が発生してしまうことです。
親しい間柄であっても、売却することがおすすめです。

2つ目のパターンは、分筆したうえで売却するパターンです。
共同名義の土地を持ち分に応じて分割し、各々が単独の土地として所有権の登記を行うと、共同名義を解消したうえで自由に売却できます。

ただしこのパターンの注意点として、分筆の際には境界を確定させる土地家屋調査士や登記を依頼する司法書士に対して代金を支払う必要があるほか、登録免許税などの費用が発生することが挙げられます。

また土地によっては、持分に合わせた土地の分割が難しい場合もあります。

3つ目のパターンは、共有者全員の承諾を得たうえで売却するパターンです。
共同名義の土地を売却して得たお金やかかった経費は、持分に合わせて全員に分割されます。

この際の注意点としては、持分通りに分配を行わないと、譲与税が発生する可能性があることです。
持分に合わせて利益や経費を分け、共有者それぞれが確定申告で納税するようにしてください。

また、共有者同士の関係が悪いとトラブルが発生する可能性も十分考えられます。
相続した土地を売却する場合、あらかじめ共有名義で登記する前に代表者が土地を売却し、その代金を分配する換価分割という方法を活用することもおすすめです。

□まとめ

今回は土地名義が2人になっている場合の不動産売却について、原因やメリット・デメリット、注意点を紹介しました。
土地名義が2人になっている土地の売却方法は何種類かありますので、自分の状況に合わせて決めるようにしましょう。
また、香川で不動産売却を検討されている方がいましたら、当社にお任せください。