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残置物が不動産売買に与える影響!契約で失敗しないための知識

残置物がある不動産の売却を考えるとき、思わぬトラブルや費用負担に悩まされることは少なくありません。家具や家電が残ったままの物件を前に、「このまま売ってもいいのか」「買主に迷惑がかからないか」と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

 

残置物の処分方法や所有権の取り扱いを誤ると、売却価格が下がるだけでなく、契約トラブルや撤去費用の請求につながるケースもあります。とくに不用品の中にはリサイクルや粗大ゴミのルールが複雑なものも多く、自己判断で進めると後々大きな問題に発展する可能性があります。

 

これから、不動産売却時に避けて通れない「残置物」に関する基礎知識から、実務上の注意点、契約に記載すべき内容まで詳しく解説しています。最後まで読むことで、処分や対応の手間を減らし、スムーズな売買に導くための具体的な方法を知ることができます。

 

売却前の段階から一歩踏み込んでおくことで、後悔のない取引が可能になります。損失や余計な負担を避けるためにも、残置物の扱いについて今のうちに正しい知識を身につけておきましょう。

 

不動産における残置物とは!基本的な意味と発生しやすい状況

残置物の定義と読み方、家具・家電・ゴミとの違いとは

 

不動産取引における「残置物」とは、売主や貸主、あるいは前の入居者が物件を退去または引き渡す際に置いていった動産全般を指します。読み方は「ざんちぶつ」で、契約書や査定時、現地確認などで頻繁に使用される専門用語です。残置物には家具や家電、生活用品、さらにはゴミのような廃棄物も含まれることがあり、これらを正確に分類することが重要です。

 

家具や家電は原則として元所有者の動産である一方で、ビルトインコンロや換気扇といった建物に固定された設備は不動産の付帯設備として扱われます。ゴミや不要物と判断されるものでも、所有権の放棄意思が明確でない限り、勝手に処分すれば損害賠償の対象となる可能性があります。これにより、残置物の取り扱いは慎重を要する業務となっています。

 

賃貸契約や売買契約においては、「現状渡し」や「残置物あり」といった表現が使われることがありますが、それだけでは責任の所在が曖昧になり、トラブルに発展することがあります。そのため、契約書には「残置物の所有権は放棄されたものとする」「残置物の撤去は貸主(あるいは売主)が行う」などの特約条項を明記することが望まれます。

 

残置物が残された状態で物件を売却または貸し出す場合、買主や借主にとっては心理的な抵抗や追加の処分費用が発生し、物件の評価を下げる要因にもなります。一方で、家具や家電が使用可能な状態であれば、入居者にとって利便性があると評価される場合もあります。このように残置物は状況や物品の性質によって資産にも負債にもなり得る存在です。

 

残置物が発生する主なケースとしては、相続物件に遺品が残っている場合、賃貸契約終了時に入居者が荷物を放置して退去した場合、または離婚や家族間トラブルで一方が生活用品を残して立ち去るなどが挙げられます。相続物件では、処分の可否が法的に複雑化することもあるため、早期の専門家相談が推奨されます。

 

査定価格や売れ行きに与える影響

残置物ありの中古物件は売れにくい?購入者が避ける理由

 

中古物件を購入する際に、室内に家具や家電、生活用品などの残置物がそのままになっている状態は、買主にとって大きなマイナス要因となります。これは見た目の印象や心理的な不快感だけでなく、実際の費用・時間・手間の負担に直結するため、購入判断を大きく左右します。

 

購入者が敬遠する理由 内容の具体例と影響
見た目の印象が悪い 内見時に不用品が散乱していると管理状態が悪く見える。
追加費用と手間が発生する 自費での撤去や専門業者の手配が必要となり、想定外の負担になる。
売主や管理状態に不信感を抱く 放置された私物から「雑な管理」「トラブル物件」の印象を受けやすい。
ゴミかどうか判断がつかない残置物がある 書類・衣類など所有権が不明確なものがあり処分しづらい。
リフォームや入居スケジュールに影響が出る 不用品の撤去に時間がかかり、リノベーションや引越しが遅延する。

 

内見段階での第一印象が悪い物件は、買主の購買意欲を大きく低下させます。空室であれば「すぐ住める」「自由にレイアウトできる」という期待が生まれるのに対し、残置物があるとその印象は大きく損なわれます。これは中古マンションや空き家において顕著です。

 

残置物の有無は、購入者の意思決定に大きく関わる要素であり、事前対応を怠ると売却活動そのものに悪影響を与えることになります。現在の不動産市場では、見た目や状態が良好な物件ほど早く売れる傾向があり、購入者が慎重になる分、余計な不安要素は極力排除することが理想です。

 

売却査定額に与える影響

 

残置物が室内に残されたままの物件は、一般的に査定評価が下がる傾向にあります。これは不動産会社や査定担当者が、処分コストや売却スピードへの影響を考慮するためであり、物件の価値そのものではなく「売れるまでにかかる手間と時間」を含めた評価となるためです。

 

査定時に評価が下がる要因 内容と影響の詳細
撤去費用の見込み 残置物が多いと、業者手配や人件費が必要と判断される。
管理状態の懸念 物が残っている=清掃やメンテナンスが不十分と見なされる。
内見時の印象低下 他の物件と比較して印象が悪く、売却までに時間がかかる可能性。
法的リスクや所有権トラブルの懸念 所有権不明の残置物がある場合、処分の合意が必要になる可能性がある。
原状回復費用の加算 床・壁・設備にダメージがあった場合、修繕費も含めてマイナス査定される。

 

勝手な処分で訴訟や原状回復義務が発生する可能性に注意

勝手な処分による損害賠償や訴訟の可能性について

 

残置物が不動産内に残されたままの状態で、第三者や管理者が無断でそれを処分してしまうと、損害賠償請求や訴訟に発展する可能性があります。所有権が放棄された事実が確認されていない状態での処分は、法的に「不法行為」と見なされるリスクが高いため注意が必要です。

 

事例内容 処分者の立場 処分された物品 請求された内容の例
貸主が退去後に室内の物品を廃棄 賃貸物件オーナー 高級スーツ、古美術品など 時価相当額の損害賠償請求
管理会社が清掃時に家具を処分 賃貸管理会社 ダイニングセット、テレビ 通知不足による慰謝料および家具の代金請求
隣人が放置物を片付けた 近隣住民 室外機や衣装ケースなど 私物の無断廃棄による不法行為として提訴

 

訴訟リスクを回避するためには、以下のような対策が求められます。

 

  • 所有者が不明な残置物は、速やかに法的手続き(例:供託)や専門家相談を行う
  • 賃貸・売買契約書に残置物の扱いと処分権限を明記する
  • 所有者に書面で「所有権放棄の意思確認」をとったうえで処分を行う

 

判断に迷った場合や、物品の所有者が確認できない場合には、自身で処理を進めるのではなく、法律の専門家または不動産管理者へ速やかに相談することが、安全かつトラブルのない対応につながります。

 

原状回復義務との関係と契約上のグレーゾーン

 

賃貸契約における原状回復義務とは、借主が退去時に「借りたときの状態に戻す」義務のことを指します。しかし、この義務と残置物の処理については、解釈が分かれるグレーゾーンも多く、実務上のトラブルが後を絶ちません。

 

原状回復義務と残置物の処理における判断の違いを整理しています。

 

状況 原状回復義務に含まれるか 処分責任者 注意点
借主が故意に残した家具・家電を放置して退去 含まれる 借主(費用負担あり) 契約書に処分責任の記載がないとトラブル化する可能性あり
通常使用により残った生活痕(汚れ・小傷) 含まれない 貸主または管理者 経年劣化とみなされ、借主の負担対象ではない
遺品整理中で残された遺品が残っている状態 判断が難しい 相続人または管理者 所有権と放棄意思が未確認のまま処分はリスク大

 

契約書に記載がない場合、原状回復の範囲や処分の判断が当事者間で食い違うことが多く、退去後に損害賠償や修繕請求といったトラブルに発展するケースもあります。

 

ガイドラインでは「通常の使用による損耗等は借主負担としない」とされており、残置物がその定義に当てはまるのか、あるいは意図的な放置かによって、対応が変わります。

 

契約書の中に、あらかじめ以下のような文言を明記しておくことが有効です。

 

  • 退去時に残置物があった場合、その処分費用は借主負担とする
  • 所有権放棄の意思がない場合は事前に通知し、処分に応じること

 

所有権放棄の意思確認と書面化の重要性

 

残置物を合法的かつ安全に処分するうえで、もっとも重要なのが「所有権の放棄意思を明確にすること」です。これは、口頭の説明やメールでのやり取りだけでは不十分であり、必ず書面にて明文化する必要があります。

 

所有権放棄を確認するために利用される主な書類は以下の通りです。

 

書類名 内容 活用場面
所有権放棄同意書 残置物を所有者が放棄することを明文化した同意書 賃貸退去時、売却前の明け渡しなど
残置物処分承諾書 所有者が処分に同意し、費用や方法を確認する承諾文書 処分業者手配前、トラブル予防
賃貸契約書の特約欄 契約時に残置物処分や所有権について定めた条項 契約書ベースで継続的に使用されることが多い

 

契約書に記載すべき残置物条項!トラブルを防ぐ文言例

売買契約における残置物特約の正しい記載方法

 

不動産売買契約では、残置物の有無や取り扱い方法を明記しないと、引渡し後のトラブルが発生するリスクがあります。売主と買主の認識にズレがあるまま契約を締結してしまうと、「不要な物が残っている」「想定していなかった処分費用がかかった」など、責任の所在をめぐって紛争に発展する可能性も否定できません。

 

項目例 内容説明
残置物の有無 残置物が存在するか、完全撤去後に引き渡すかを明記
所有権の移転範囲 残置物を含めて買主に移転するのか、売主が処分するのかを明記
処分の責任と費用負担 誰が処分し、費用を負担するのかを明記
現状渡しの場合の明記 残置物込みの状態で引き渡す旨と、買主がそれを承諾する旨の記載
所有権放棄の合意 売主が残置物の所有権を放棄し、買主が取得・処分を了承する旨の文言

 

典型的な残置物条項の記載例としては、以下のような表現が有効です。

 

  • 売主は、本物件内に残置する〇〇(例:家具・家電)について、買主に無償で譲渡する。
  • 本物件は、現状有姿にて引渡すものとし、売主は残置物の撤去および修繕等を行わない。
  • 買主は、残置物の所有権を取得し、その後の管理・処分について一切の責任を負うものとする。

 

具体的に残置物の内容と所有権の取り扱い、処分責任を明記することが、契約書の安全性を高め、後日の誤解や請求トラブルを未然に防ぎます。

 

賃貸借契約でよくある残置物特約文言と注意点

 

賃貸借契約においても、残置物の取り扱いはトラブルになりやすい項目です。とくに退去時に借主が私物を残したまま退出した場合や、残置された物品が明らかに放棄されたものであるか判断が難しいケースでは、貸主が勝手に処分すると所有権侵害となる可能性があります。

 

文言例 意図と注意点
借主が退去後に残置した動産については、貸主が自由に処分できる。 所有権放棄とみなせる明確な文言。法的有効性を高めるには署名捺印も必要。
残置物の処分に要する費用は借主が負担する。 処分費用の請求トラブルを避けるための予防条項。
借主が残置物についての所有権を放棄したものとみなす。 放棄の合意があったことを前提とするため、事前の説明が望ましい。
残置物の保管期間を〇日とし、経過後は貸主が処分できる。 処分前の猶予期間を定めることで違法性を回避する実務対応。

 

「残置物を現状渡し」と記載する際のリスクと具体表現例

 

残置物がそのままの状態で引き渡される「現状渡し」は、不動産売買・賃貸のどちらにも見られる実務対応です。処分費用や手間を軽減する意味では有効ですが、記載方法を誤ると後日のトラブルや責任問題に発展する恐れがあります。

 

注意すべきは、次のような「曖昧な表現」です。

 

  • 残置物はそのままの状態とする
  • 現状のまま引き渡す
  • 取り決めはないものとする

 

このような記載では、法的に「残置物の所有権がどちらにあるのか」「処分の責任はどちらにあるのか」が不明確になり、損害賠償請求などのリスクを伴います。したがって、現状渡しを行う際は、より具体的な表現で合意内容を明文化する必要があります。

 

安全な「現状渡し」の記載例は次の通りです。

 

文言例 解説
本物件は現状有姿で引き渡し、売主は残置物の撤去および補修義務を負わない。 売主側の免責を明記することで、処分義務の免除を明文化。
残置物については買主が所有権を取得し、自己の責任において処分するものとする。 所有権移転と処分責任を買主が引き受ける内容を明示。
残置物を含めた状態での引き渡しに、買主は同意したものとする。 同意の有無を明確化し、後日の否認を防ぐ。

 

契約書だけでなく、別紙で残置物のリストを添付し、それぞれの所有者と処分方針を明示しておくと、さらにリスクを軽減できます。

 

物品名 所有者 処分方法
冷蔵庫 売主 現状渡し/買主処分
カーテン 不明 現状維持
古い机 売主 撤去予定

 

まとめ

不動産における残置物の問題は、売主や貸主が見落としやすく、後々のトラブルにつながりやすい重要なポイントです。家具や家電、日用品などがそのまま残された物件は、売却価格に悪影響を与えたり、契約の場で買主との認識のズレを引き起こすこともあります。とくに、所有権や処分責任が曖昧なまま契約を進めてしまうと、後から撤去費用の請求を受けたり、想定外のクレームを招くことも考えられます。

 

残置物の基本的な定義から、査定額や売れ行きに与える影響、契約書での記載例まで具体的に解説してきました。売却時に残置物をどう扱うかは、費用や対応の手間に直結するだけでなく、物件の印象や信頼性にも関わってきます。事前に処分方法を検討し、契約内容に明記しておくことで、後のトラブルを避け、スムーズな取引を実現することができます。

 

残置物は単なる「荷物」ではなく、法的な意味合いや経済的リスクを含む要素です。だからこそ、売主・買主・貸主・借主のいずれにとっても、正しい知識を持ち、状況に応じた対処が求められます。これまでの内容を参考に、あなた自身の物件に当てはまるケースを見極め、必要な対応を一歩ずつ進めていきましょう。放置してしまうと、思わぬ損失につながるおそれがあります。今のうちにしっかりと備えておくことが大切です。

 

よくある質問

Q.残置物がある中古物件は売却にどのような影響がありますか

A.残置物が残っている中古物件は、内見時の印象が悪くなりやすく、買主が心理的な負担を感じるケースが多いです。家具や家電がそのまま残っていることで、処分や搬出の手間がかかると判断され、物件選びの候補から外される可能性もあります。その結果、売却までに時間がかかることや査定額に影響することもあるため、事前の処理や契約書での明記が重要です。

 

Q.不動産売買契約書に記載すべき残置物の条項とはどのようなものですか

A.売買契約において残置物の取り扱いを明確にしておくことは、トラブル回避のうえで不可欠です。契約書には残置物の種類や撤去の有無、現状渡しとするかどうかなどを具体的に明記し、売主・買主双方の合意を得ておく必要があります。所有権の放棄意思がある場合には、それを示す文言も併記することで法的なトラブルを防ぐことができます。

 

Q.勝手に処分した残置物について法的責任が発生することはありますか

A.所有者の意思確認がないまま残置物を処分した場合、所有権を侵害したと見なされ損害賠償請求の対象になる可能性があります。賃貸物件や相続物件では、処分者と所有者が異なることもあり、原状回復義務や訴訟に発展する事例もあるため注意が必要です。書面による同意や契約書での取り決めを事前に行うことが確実な対策です。

 

Q.家具やエアコンなどの設備が残置物に含まれるかどうかはどう判断しますか

A.家具やエアコンのような設置物が残置物に該当するかどうかは、契約の内容や使用状況によって異なります。売買契約や賃貸借契約で付帯設備として明記されているものは残置物とは見なされず、それ以外で取り扱いの明確な定めがない場合には残置物として扱われる可能性があります。エアコンや照明器具などは処分費用や撤去作業の手間がかかるため、明文化しておくことが望まれます。

 

会社概要

会社名・・・株式会社 Lifeスマイル

所在地・・・〒761-8062 香川県高松市室新町1019番地5

電話番号・・・087-899-8811

      

2025.06.12

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